IT新生記 アーカイブ

 
200901
15
木曜日

ジャンゴのIT新生記 ~ CASIO「ダイナミックフォト」

このシリーズでは、新しく発表されたIT関連アイテムやサービスから、個人的に要注目と感じたものを取り上げていきたいと思います。

今回は、先日CASIOが発表したデジカメの新技術「ダイナミックフォト」。搭載した製品「EXILIM ZOOM EX-Z400」は1月末より発売です。

EX-Z400GD.jpg


ダイナミックフォトとは、平たく言うと写真の合成機能です。一般に、合成写真の作成方法は

  • 画像の一部を手動または半自動で切り抜く
  • クロマキーを使って背景を自動的に切り抜く

だいたいこの二通りです。前者は手間が掛かりますし、後者は撮影時に単色の背景を用意しておかなければなりません。例えば弊社の撮影ルームには一面緑の壁がありますが、これはクロマキー合成のためです (下はデジカメ講座を撮影中のくまひげ先生)。

degital-camera.jpg


さて、CASIOのダイナミックフォトは、いわば「背景が単色でなくても良いクロマキー合成」です。背景が普通の景色であっても、そこから人物だけを自動で切り抜いたりできるんですね。もちろんこれにはそれなりの種と仕掛けがあって、次のような手順が必要です。

  1. まず普通に写真を撮る
  2. 全く同じ場所を、今度は被写体がいない状態で撮影する
  3. デジカメ内で1番目の写真から2番目の写真を "引き算" し、被写体だけを取り出す
  4. 別の背景写真を用意して、3で取り出した被写体を合成する

つまりやってることはクロマキーとほぼ同じなのですが、被写体がいる/被写体がいない、という二つの写真を用意することで、背景がどんなものであっても被写体を取り出せるというわけなんですね。

またこれは静止画写真だけではなく、動画にすることもできるそうです。ただ、元々がデジカメということもあって解像度とかフレームレートはだいぶ制限されるみたいですが。


で、これを使うと次のような合成写真が作れます(CASIOのダイナミックフォトのホームページからの引用)。これ実際には動画になっていますので、動いているところがみたい方はダイナミックフォトのギャラリーページへ飛んでください。

dynamic_photo.jpg

これを見てぱっと思ったのは「切り抜いた段階の写真をパソコンで開ければいろいろ応用できそうだなー」ということだったのですが、残念ながらそれはできないみたいですね。ただ、ギャラリーのデータを見ている限り、デジカメ側にイラストなどのデータを転送してそれと合成することはできるっぽいです(確認したわけではありません)。

追記:その後の情報によると、合成する背景もカメラで撮った写真でないといけないみたいです。これまた残念。


CASIOは別のラインで秒間1000枚以上の超高速連写を実現したりと、デジカメの新しい使い方に挑戦する社風があるようです。そもそもデジカメの元祖でもありますし、是非今後もこの調子で頑張って貰いたいと思います。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 
 
200901
19
月曜日

ジャンゴのIT新生記 ~ Microsoft「Windows 7 Beta」

二回目のお題は、先日一般公開が始まった次期OS「Windows 7」のベータ版です。

Windows Vistaの評判がいまひとつだったせいかどうかは分かりませんが、思ったより早いタイミングでベータを公開してきました。この調子なら、ギリギリ年末にはWindows 7がプリインストールされたPCが発売される可能性もありますね。

さて、Windows 7は、基本的にはVistaの改良版と言って差し支えないものです。従って技術的にはそれほど目新しいものはありません。ベータが早い段階で公開されたのも、変更が小さい分すでに相応の完成度に達しているからでしょう。実際、Windows 7のベータはかなり安定していて常用に耐えうるという意見もよく見ます。

自分はまだそこまで踏み切れませんので、とりあえずお試しということでVirtual PCの仮想環境にインストールしてみました。下がWindows 7のデスクトップです。

Windows7Beta.jpg

これは少しカスタマイズしてしまった後なのでアイコンやらなにやら並んでいますが、初期状態では「ごみ箱」と「フィードバックの送信」のふたつしかありませんでした。ちなみにお魚の壁紙は標準で設定されていたものです (製品ではたぶん変わると思いますが)。

今回、デスクトップ周りではタスクバーにいくつか変更が行われています。起動中のソフトを示すバーはよりシンプルになり、標準ではアイコンがポンと出てくるだけです。同一ソフトでウィンドウが複数になった場合も、アイコンは増えずに常にひとつのままです (Vistaでは、数が増えたところでひとつに統合されるようになっていました)。早い話が、MacOSっぽくなりました。

他にも細々と改良された部分があるので、興味のある方はマイクロソフトのブログを見てください。

また、標準搭載ソフトにも変化があります。Internet Explorerがバージョン8になる一方で、なんとメールソフトが無くなりました。ベータに間に合わなかったのではなくて、本当に無くなるようです。
もちろんこれはMicrosoftがメールソフトを作るのを止めるという訳ではなく、Windows Liveサービスへ移行という意味でしょう。

最近、MicrosoftはWindows Liveにかなり力を入れいます。メール、メッセンジャー、写真、動画、webストレージなど、いつの間にかどんどんサービスが増えています。またそれぞれに対応するソフトも無料で公開されていて、その中にメールソフトとか、ムービーメーカーとかが含まれているわけです。ですのでムービーメーカーもWindows 7では標準搭載されないと言われています。
ここしばらく、Windowsは標準搭載ソフトを増やす傾向にありましたので、この方向転換は意外ですね。

一方、古くからWindowsにあるソフト群はそのまま残っており、一部は大きく改良されています。その中でも目を引くのがお馴染み「ペイント」の最新版です。

Windows7Beta_soft.jpg

見た目がオフィスライクになったばかりではなく、ブラシの種類が増えていたり、ルーラーやグリッド線も出せるようになっています。また右下に拡大縮小をするためのバーがついています。

ペイントの右隣は「電卓」で、統計計算や住宅ローンの計算までできるようになっていました (この時期に住宅ローンって、ブラックジョークかなにかでしょうか)。

この辺に興味のある方は、窓の杜の「次期Windows"Windows 7"で標準搭載ソフトはどう変わる? 」に詳しくまとまっていますのでご覧ください。

今回は仮想環境に入れたのでパフォーマンス関連は体感できてませんが、聞く話によるとVistaよりメモリの消費も少なくて軽いとか。流行のネットブックでも大丈夫かもしれません。

ベータまでは急ぎ足でたどり着いたWindows 7ですが、完成の暁にはVistaの失敗を帳消しにできるかどうか、Microsoftの底力が試される時でしょう。OS本体は軽くして、付加価値はwebサービスとシームレスに結合して補う、というのがイマドキっぽい発想ではありますが、今回どこまでそれが押し進められるのか。大変興味深いです。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 
 
200902
03
火曜日

ジャンゴのIT新生記 ~ FireFoxプラグイン「AutoPager」

今回は「AutoPager」という、ユニークなFireFoxプラグインをご紹介します。

言葉では説明しにくいので、まず動画をご覧いただきましょう。



注目は、ホイールでページをスクロールするだけで次の検索結果が次々と表示されていることです。

これは、AutoPagerプラグインが次の検索結果を先読みして、自動的にページの下に連結することで行われています。いわゆるAJAX的な技術ですね。
また、無限にずっと先のほうまで勝手に繋がっているのではなくて、ページを下の方にスクロールすると1ページ分増えて、またそれをスクロールすると次の1ページ分・・・といった具合に、操作に合わせて少しずつ増えていくのもポイントです。

動画はGoogleでの検索を例にしていますが、特にGoogle専用というわけではなく、設定次第でほとんどの「ページ型」コンテンツを自動連結することができます。GMailなんかもこれを使うとビックリな感じになりますね。

なんでこんなことができるかというと、実はかなりの力業なのです。
このようなページ型コンテンツには、大抵「次へ」とか「>」とか、そういう次のページを見るためのリンクがありますよね? それをこのプラグインに覚え込ませると、自動的に次のページの内容を取ってくるようになっているのです。

ただし、各ページには必要でない部分 (ヘッダーとかバナーとか) も含まれていますので、次はそういったものを除外して、本当に必要な部分だけを取り出すための設定を行います。そうすると、あたかもページの内容だけが長くなったように見えるのです。

下は実際にリンクとコンテンツの指定を行っている画面です。

autopager_setting.jpg

さらにこのプラグインの作者が賢かったのは、webサイトごとの設定を皆で共有する仕組みをプラグインに埋め込んだことです。これによって、誰かが設定済みのサイトは何もしなくてもプラグインが機能するようになっています。自分で設定するのはちょっと難しいので、これは良い判断だったと思います。

英語混じりのプラグインでまだ作りも荒削りなので、誰にでもお勧めできるものではありませんが、それでも使ってみたいという方は以下からどうぞ (Firefoxでないとダメですよ)。
https://addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/4925


今回これを取り上げたのは、単に便利というだけでなく、webページのユーザーインターフェイスに対する新しい概念を感じたからです。

ホイールをグリグリまわすだけでコンテンツを連続して取得できるのは実に気持ちよく、「次へ」をクリックするのがいかに面倒なことなのかを教えてくれました。将来、HTMLとブラウザがもっと密に連携して、こういった機能が標準化されていくとwebページもぐっと使いやすくなると思います。

まあ、テレビレコーダーのCMカットみたなものなので、広告はどうするんだとかそういう議論も起こりそうですけど。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 
 
200902
11
水曜日

ジャンゴのIT新生記 ~ CDNによるHD映像配信

インターネットの映像も、今年辺りからHD化が本格的に進みそうな気配がします。YouTubeでも流せるようになりましたしね。

しかしブロードバンドの普及が進んだとは言え、HD映像のデータ量は莫大です。特にストリーミングで流す場合は、一定の転送スピードを確保し続けなければならないのでさらにハードルが高くなります。

これに対処するための試みはいろいろ行われているのですが、中でも有望なひとつがCDN (Contents Delivery Network) という技術です。実は昔からある技術で、理屈的な部分はむしろローテクな部類に入るのですが、それ故に今すぐ成果が出せてしかもコストもそれほど高くないというメリットがあります。今回はこのCDNについて取り上げたいと思います。

CDNのことを説明する前に、インターネットのデータ転送の特徴を簡単に整理します。

CDN1.jpg

インターネットのデータ転送というのは、一口に言うと 「地球規模のバケツリレー」 です。世界中にあるネットワーク機器が、受け取ったバケツ (データ) を、手近な誰かに渡すことで成り立っています。

ですから、海の向こうにあるサーバーからのデータがどのような経路で自分のパソコンに届くか、それはやってみるまで分かりません。確実なのは我々のパソコンとインターネットの間の橋渡しをしているのが「プロバイダ」だという位で、あとは全く雲の中です。

一見いい加減なように見えますが、この仕組みのお陰で、途中のどこかのネットワーク機器が壊れたり、線が切れたり、あるいは誰かがうっかり電源コードに足を引っかけても、即座に別の経路で代用するという柔軟性を得ているのです。

しかし、HD映像のストリーミングともなると、この不確実さが重くのし掛かってきます。途中で一カ所引っかかりがあるだけで、配信が大幅に不安定になってしまうからです。このリスクはネットワーク上のマラソン距離が長ければ長いほど増大します。

そこで登場するのがCDNです。これの考え方は極めてシンプルで、「じゃあ世界中に予めデータ置いとけばいいじゃん」 というものです。

CDN2.jpg


CDNは、大元のコンテンツを持っている親サーバーと、それの複製を持っている多数の子サーバーから成り立っています。鍵となるのは子サーバーをどこに置くか、という点で、これはなるべく「ネットワーク的に栄えている所」に置いておきます。抽象的な話ですが、要するに多くの人にとってネットワーク的に身近でアクセスしやすい場所に置いておくのです。

(無理矢理リアル交通網に喩えると、駅前に映画館を置くようなもんでしょうか)

そうすると、大半の人はネットワーク上のマラソン距離が大幅に短縮されます。例えばアメリカの映像を東京にコピーすれば、それだけで海を越えなくて済むので日本人全体としてはものすごい距離を短縮したことになります。これを世界規模でやれば大変な効果があることは想像に難くありません。

平均距離が短縮されればそれだけデータ転送は安定しますし、アクセスしてからデータが返ってくるまでのレスポンスも早くなります。また、特定サーバーへアクセスが一極集中して混雑するのを避ける、というメリットもあります。いいことずくめです。

ただし世界中にサーバーを配置するのはさすがに金が掛かりますし、誰をどこの子サーバーに振るか、というインテリジェントな部分の設計ノウハウも必要になります。ですので普通はCDNを広く展開しているサービス会社にデータを委託して、代わりに配信して貰うことになります。

この分野で有名な会社のひとつが米Akamai社です。ここは先日、Microsoftの新しいリッチコンテンツ・プラットフォーム「Silverlight」を使ったHD映像の配信システムを発表しました。Silverlightというのは、まあFlashのMicrosoft版だと思ってください。

この配信システムのデモとして公開されているのが 「SmoothHD」 というサイトで、HD映像をかなり快適に見ることができます (IE推奨)。 特に注目なのが途中で映像をシークした (飛ばした) ときのレスポンスの早さで、オンライン (しかも大元のデータはおそらく米国にある) というのを一瞬忘れそうになります。

smoothhd.jpg


Akamaiのように世界規模でCDNを展開できる会社は限られますが、日本国内向けなどに絞ればそこまで多額の投資は必要ないので、これからCDNサービスを始める会社は増えるのではないかと思います。

ニコニコ動画あたりもCDNにすればかなり混雑が解消されそうですが、あそこの場合は元のデータ量が大きすぎるので複製を作ること自体が非現実的なんでしょうね。すごくアクセス数が多い動画だけ分散するっていう感じならできそうですけれど。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 
 
200903
19
木曜日

ジャンゴのIT新生記 ~ 電子ペーパー

一時期、「次世代テレビは液晶かプラズマか」なんて言われてた時期がありました。

プラズマディスプレイは画質も良くて大型化に向いているため、30インチ以上のテレビはプラズマが主流になるかとも思ったのですが、結局市場に残ったのは液晶のほうでした。これから当面、パソコンのモニターとかテレビは全部液晶でしょう。

しかし、少し違う分野に目を向ければ、そこにはもう新しい技術が芽吹いています。それが「紙」を電子化する「電子ペーパー」技術です。


液晶ディスプレイは、光の透過具合をコントロールできる微小なフィルターが大量に集まることで成り立っています。基本的には低電力がウリですが、例え表示している内容が全く同じでも、常に電力を与え続けなければなりません (下図はwikiから拝借)。

200px-Liquid_Crystal_Display_Macro_Example_zoom.jpg

また、良い画質を得るためには背後から光を投射する必要があります。いわゆるバックライトです。モバイル好きの方ならよく知っていると思いますが、バックライトはかなりの電力を消費します。

一方、紙の印刷物は当たり前ですが電力なんていりません。紙の表面に付着した顔料が、外光のうち特定の波長 (=色) だけを反射することで成り立っています。

流行りのエコな視点で見ると、液晶ディスプレイは常に電力を使い続けるのが問題です。かと言って、紙は紙で資源の無駄使いと言われます。さてどうしたものか。


そこでこの中間を埋めるのが、「電子ペーパー」という技術です。
電子ペーパーは電力を使わなくても表示を維持できるのが最大の特長です。また紙と同じように日光下で十分な画質を得ることができます。

電子ペーパーの中には、電気の与え方によって色が変わる「電子インク」が詰まっています。色を変えるときだけは電力が必要ですが、そのあとは放って置いても状態を維持することができます。
例えば現在よく使われている電気泳動方式という技術では、帯電した白と黒の顔料を含むカプセルを電極で引き寄せることでモノクロを表現します (下図はwikiから拝借)。

e_ink.jpg

ただし、書き換え回数に限度があるのと、書き換え処理に結構時間がかかる (モノクロだと1秒弱くらい、カラーだと数秒から10秒くらい) のが弱点です。なのでパソコンのディスプレイとかテレビの代わりにはなりません。

で、こんな技術があったら何に使うか? と考えたとき、みんな思いつくのは「電子ブック端末」とか「電子新聞」、あるいは「電子看板」とかそんなところではないでしょうか。実際これらはみな、すでに商品化されていたり、あるいは製品化に向けた実験が行われたりしています。


すでに販売されているものの中では、Amazonの「kindle」という電子ブック端末が有名です。2007年に発売され、今年の二月には改良型の「kindle2」が登場しています。お値段は359ドル。
簡単に言うと、Amazonで本を買うとこの中に入っちゃうというものなのですが、残念ながら日本には入ってきていません。米国では50万台とか売れたらしいです。

kindle.jpg

実は日本でも2004年にソニーが似たような製品を出していたのですが、こちらはすでに撤退済み。それから国内ではしばらく話題が途切れていたのですが、ここにきてブラザーと富士通フロンテックから相次いで電子ブック端末が発表されました。

ブラザーからは法人向けの製品として「SV-100B」」という製品。画面は10インチでモノクロ仕様。値段は不明ですが業務向けなので安くはないでしょう。
ユニークなのは、パソコンから擬似的にプリンタとして扱えるような仕組みが用意されていることです。プリンタ事業をやっているブラザーらしい着眼点ですね。

brother.jpg

もうひとつは富士通フロンテックの「FLEPia」。こちらは個人向けのカラー端末です。サイズは8インチで価格は約10万。ちょっと高いですが、カラーで個人向けはたぶんこれが初めてなので、まあしょうがないでしょう。パピレスと提携してこの端末向けのブックデータ販売サイトを用意するそうです。


flepia.jpg


電子ブック以外の採用例としては、昨年発売されたauの携帯端末「W61H」の「模様替え」機能があります。背面に電子ペーパーを埋め込んで、模様が変えられるようにしたんですね。

W61H.jpg


さて、これらは端末の中に電子ペーパーを埋め込んでいるので、あまり「紙」という感じはしません。しかし、電子ペーパーそのものはすでに紙と同じくらいの薄さになっています。それどころか、ぐにゃっと曲げることもある程度可能です。
最近では、電子ペーパーにタッチパネルを統合した技術も登場しました。この分野はこれからどんどん発達すると思います。

個人的には、ちょっと発想を変えて電子ペーパーを100ページくらい束ねたら本みたいに扱えていいんじゃないかと思うのですが、どうでしょう?

書き換えられるんだから1枚でいいじゃんと言われそうですが、この手の技術は表示を切り替えるという発想を捨てない限り、本当の「本」には近づけないと思うんですね。本というのは平面が重なっているから、つまり三次元の媒体だから便利なのであって、それを1枚に圧縮したらダメなんじゃないかと、そんな気がするのです。
それに本が全部いまの電子ブック端末みたいになってしまったら、「ページをめくると・・・」という常套句が使えなくなってしまうではないですか。「手触り」を失った本は本ではありません。

まあ、100枚束ねたらコストも100倍なので、我々が生きてる間はちょっと無理そうですが・・・。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 
 
200905
19
火曜日

ジャンゴのIT新生記 ~ シャープ「PC-NJ70A」

パソコンというのはものすごく進化してきたようで、実は本質的にはあまり変わっていない機械です。

例えば昔のPC-98時代のブックパソコン (昔はノートじゃなくてブックって言ってたんですね。実際百科事典並みに重かったんですけど) と、現在のモバイルノートPCを比べたとき、もちろん性能や携帯性、拡張性などは飛躍的に向上していますが、「真ん中を開くと上が画面で下がキーボード」というスタイルは全く変わっていません。

使い勝手を考えればそれが一番効率の良い配置なのは明らかですが、それはあくまでパソコンに対する既成概念に沿った場合の話です。これだけ日進月歩の分野なのですから、もっと根本的に違う形状や操作方法などが出てきても良さそうなものですが、意外と代わり映えがないのです。

 

しかし全くアプローチが無かったかというとそうではありません。実は過去に、普及しないままに失敗した新しいスタイルのパソコンがありました。それがタブレットPCです。

tc1100.jpg

タブレットPCは、上の写真のようにキーボードが無くペンだけで操作します (サイズ的にはモバイルノートと同じくらいの面積)。これは僕自身持っていた機種ですが、画板のように抱えててペンで操作するスタイルには、確かに新しい可能性を感じさせるものがありました。

(ただしペンだけだと文字を入力するのが大変なので、実際には何らかの形でキーボードを使えるようになっています)

しかし諸々の事情から広く普及するには至らず、現在では主に業務用として細々と生き残っているのみとなってしまいました。「タイミングが悪かった」とか「ペン操作に適したソフトが無かった」とかいろいろ理由はあったと思うのですが、実に惜しいことでした。

 

ここ最近はタブレットPC関係にも新しい話題が無く、スタイルという点では停滞した日々が続いていたと思います。しかしここにきて久々に面白い物がでてきました。シャープが約1年ぶりに発売する「Mebius」シリーズのノートパソコン「PC-NJ70A」です。

PC-NJ70A.jpg

ぱっと見はまるっきり普通のノートPCで、スペック的にはいわゆるネットブックPCと同じような感じです。しかしキーボード手前を見ると、そこにもうひとつ画面があることが分かります。

この部分にはシャープの新技術である「光センサー液晶パッド」というデバイスが搭載されています。これは液晶ディスプレイとタッチパッドの機能をひとつにまとめたものです。従来、この種のものは液晶の上にタッチセンサーをかぶせるようにして積み重ねていたのですが、それを一枚にまとめたことと、操作を読み取るために光センサーを利用することが特徴です (下図はシャープのHPより引用)。

touch.jpg

このパッドには、液晶の1画素ごとに1つの光センサーがついています。技術的にはあまり正しい表現ではないかもしれませんが、「デジカメの画素と液晶の画素がくっついたもの」だと解釈すると良いかもしれません。実際、このデバイスが発表されたときの技術デモは、上に名刺をおいてそれをスキャンするという芸当までやってのけたそうです (今回発売されたMebiusも将来対応する模様)。

部品点数が少ないことから低コスト、省スペースというメリットがあり、また推測ですが読み取り精度も高いのではないかと思います。この新デバイスを搭載した初の製品が新Mebiusというわけです。

 

光センサー液晶パッドを搭載したことで、この機種は上と下に両方ディスプレイを持ち、下側で操作も可能という独特のスタイルになりました。これは自分からするとノートPCとタブレットPCのハイブリッドにも見えるのですが、おそらくほとんどの人の直感的な感想は

でっかいDS

という感じではないかと思います。NintendoDSが二画面とタッチパッドでゲーム業界に新風を入れたように、このスタイルも新しい可能性を秘めているように思います。

しかしその可能性を生かし切れるかどうかは、やはりソフト面の充実に掛かっています。標準では手書き入力やお絵かきソフト、電卓、ゲームなどが用意されているようですが、 この程度ではまだまだ不足です。「ちょっと便利」なくらいでは、おそらくタブレットPCの二の舞になります。もっとこのスタイルでないと実現不能な、新しい使い方を提案していく必要があるでしょう。

自分もすぐには思いつきませんが、そのカギは「手触り」ではないかと思います。最近の携帯には少しそういう方向がでてきましたが、指による操作に従来にはない実感を付け加えることができれば、パソコンと人間の距離がもっと縮まるような気がします。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 
 
200909
14
月曜日

ジャンゴのIT新生記 ~ マイクロソフト「H5D-00006」

久々の新製品ネタは、本日マイクロソフトから発表されたwebカメラ「H5D-00006」です。

H5D-00006.jpg

いまどきwebカメラの何が新しいかというと、一般向けではまだ珍しい「ハイビジョン対応webカメラ」という点です。720p対応とありますので、1280×720ピクセルですね。しかもお値段は約8,000円となかなかリーズナブル。MS製品ですので流通力もありますし、ライブのネット動画もついにハイビジョンの時代が来たと言えるかもしれません。

とは言え、SkypeなりMessengerなりのビデオチャットがハイビジョンになって嬉しいか?と言われると大して嬉しくない気がします。後ろに置いてある本のタイトルがバレると困る、という人もいるかもしれません。

ならば、いっそこれとパソコンを組み合わせてビデオカメラの代わりにしてはどうでしょうか。例えば僕がもっているVAIO type Pのような軽量ノートパソコンにこれをくっつければ、そのまま動き回って録画することも問題なさそうな気がします。

まあ、ノートパソコンを構えている姿を想像するとかなり怪しい人ですが、進歩したライフスタイルと一般常識の齟齬はよくあることです(でも、実は昔VAIOでまさにそんな感じのカメラ型パソコンが発売されたことがあるんですよね。例によって時代が早すぎて一代で終わってしまいましたが)。

他にも解像度の高さを生かす道はあります。名刺をかざすとOCRで内容を読み取るとか、手のひらをかざすと手相を認識するとか(指紋認証ならぬ手相認証)、他にも頭を捻れば結構でてきそうな気がします。

地味なところでは、セミナーや発表会のときに持ち込んで録画というのもいいですね。ああいう所でビデオカメラを出すのはちょっと憚られますが、これならいけそうです。もちろん撮影OKの場合に限りますが。

なんだが書いてたら欲しくなってきたので、いずれ「買い倒れ道場」の方でご紹介するときが来るかもしれません。お楽しみに。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 
 
200912
04
金曜日

ジャンゴのIT新生記 ~工人舎「DZ」シリーズ

日本人は普段から狭い空間に住んでいるせいか、小さいモノには惹かれる傾向が強いようです。僕も薄いノートパソコンなんかが発売されると、(買うかどうかはともかく) つい見に行ってしまいます。日本でモバイル機器が先んじて発達したのも、「小さいけど高い」製品に皆がお金を出してくれた結果でしょう。

しかし自分の場合、「小型軽量」以上に衝動買いを誘発する要素があります。それは「特殊なギミック」です。こういう機能は得てして実用性はあまりないものなのですが、やはり合体・変形は男子のロマン?なのか、非常に弱い。

最近だと、テレビに出てから一気に有名になった「ポメラ」というデジタルメモ機器が、「折りたたみ式キーボード」というギミックを搭載していました。これは小型化を実現するためにキーボードを半分に折ったという例ですが、実に興味を引かれるアイテムでした。ええ、もちろん買いましたとも。

pomera.jpg

さて、今回取り上げるのはこんなラインに位置するインパクトの強い製品です。まずは写真をご覧いただきましょう。

DZ_2.jpg

もう外観からして普通ではありませんね。どう見ても2画面です。これは小型モバイルノートをたくさん発売している公人舎の新製品で、「DZ」シリーズといいます (もっと気の利いた名前付ければ良いのに)。

このノートパソコン、普段は下のように1画面です。

DZ_1.jpg

つまりディスプレイが2重になっていて、必要な時だけ下の画面をスライドして引っ張り出すという構造になっているのです。1画面あたり10インチの1,024×600ドットですので、2画面にすると2048×600ドットになります。超横長です。ちなみに引っ張り出すときは下のような感じ。

DZ_3.jpg

ポメラと同じように、狭いスペースを最大限に活かすという発想ですが、こちらは常に広げるわけではなく、必要な時だけという所がポイントかと思います。複数のディスプレイを使っている方には覚えがあると思いますが、2画面あっても普段は持て余すもんなんですよね (業務で使ってる場合はそうでもないと思いますが)。

しかしこの方式なら、ネットで調べ物しながら文章書くときとか、横に長いエクセルの表を見るときとか、間違え探しクイズをするときとか、必要な時だけ2画面にすれば良いわけで、エコという点からもよろしいかと思います。

まあ、ここまで読んだ皆様ならお分かりのように、本当は何が良いのかと言われればスライドするからに決まっているわけですが。

ちなみにお値段は79,800円とリーズナブル。性能的にはネットブックより一回り良いくらいですので決してパワフルではありませんが、マルチメディアでヘビーな使い方をしない方なら、メインパソコンとして使っても問題ないレベルだと思います。

ちなみに複数のディスプレイを持つノートというのは実はこれが初めてではなくて、以前Lenovoから「ThinkPad W700ds」という機種が出ています。

W700.jpg

ただ、こちらは小さい「サブディスプレイ」を付けるという考え方なので、また少し方向性が異なります。サイズもメイン17インチ+サブ10インチと非常に大きく、ノートパソコンというより小型デスクトップです。値段も40万ぐらいしますし。

これを見たときにもかなりソソるものがあったのですが、さすがに40万の壁を崩すには至りませんでした。今回は・・・TypeP持ってなければ即決なんですけどねー。

最後にせっかくなので真面目に仕事の話につなげると、DZの2画面構造は弊社のeラーニングを活用するときに最適なのではないかと思います。もし、実際に試したという方がいらっしゃったら是非ご感想などいただけると幸いです。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 
 
201001
23
土曜日

ジャンゴのIT新生記 ~マイクロソフト「Slate PC」

今回は新製品ではなくてまだ技術発表レベルのものですが、個人的に非常に興味があるので取り上げてみます。

毎年、この時期にはアメリカで「CES」という家電製品のトレードデショーが開催されます。その年の業界のトレンドを占うような新技術、新製品が発表されるため、毎年大きな注目を集めています。

今年のCESでは、マイクロソフトが何やら新端末を発表するらしいという話が事前に出ていたのですが、その正体は「Slate PC」というパソコンでした。写真で手に取って紹介しているのはマイクロソフト社CEOのスティーブ・バルマー氏。

slatepc2.jpg

Slateというのは「薄い石版」という意味です。キーボードがないため、写真のように一枚の板のように見えます。中身は普通のWindows7ですので、ペンや指で操作するという点を除けばそれほど目新しいものではありません。実際、過去にもマイクロソフトはこのタイプのパソコンを推進していたことがありました。当時は「タブレットPC」と呼んでいたのですが、残念ながら一般には普及せずに終わってしまいました。

ただ、一部のマニアにはパソコンの新しいスタイルとして歓迎されました。かく言う自分もその一人で、傑作と名高いHPの「TC1100」を愛用していました(下写真)。この機種も基本的には板状ですが、キーボードを合体できるという特徴を持っています。実に燃える機種だったのですが、タブレットPC自体があまり広がらなかったこともあり、3世代くらいで命脈が途切れてしまいました。「TC1100の後継機を!」とはタブレットPCマニアの間でよく聞かれる叫びです。

今回発表されたSlate PCのプロタイプモデルはHPが開発しており、その見た目はまさにTC1100を彷彿とさせます(下写真)。キーボードとの合体機構はなさそうですが、充分に期待させる仕上がりです。 写真を見る限り、昔よりも薄くなっているような気がします。

実体としてはタブレットPCなのにも関わらず、「Slate PC」などという新しい名前を持ってきたのは、過去を振り払って仕切り直したいという思いと、コンセプトの違いを明瞭にするためでしょう。

タブレットPCでは、初期こそTC1100のような板状のものが多かったですが、次第にキーボードがつくのが当たり前になって、最終的には「ペンでも操作できるノートパソコン」になってしまいました。実にがっかりな結末です。しかしSlate (石版) と言い切ってしまえば、ノートパソコン型のものは初めから対象外になります。マイクロソフトの本気が垣間見える名称です。

また、操作方法もタブレットPCはペンが主流でしたが、Slate PCはおそらく指 (タッチ操作) が基本になるでしょう。Windows7にはタッチ操作の機能が最初から盛り込まれていますが、それもSlate PCの布石だったと思えば納得がいきます。

(個人的には、ペン操作で絵も描ける石版にして欲しいですが。ああ、でもこれにDAWを立ち上げてドラム音源を叩いたりするのも楽しそうですね)

Slate PCのデモンストレーションでは、Slate PCの用途として電子ブックを見せたようです。今年は電子ブックリーダーと電子出版の動きが本格化しますので、それを睨んでいるということでしょう。

年内には実際には発売されるらしいので、これはもう絶対買っちゃうだろうなーという予感ヒシヒシですね。実に楽しみです。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 
 
201003
25
木曜日

ジャンゴのIT新生記 ~分離ケータイ 「F-04B」

富士通から、世界初のディスプレイとキーボードが分離する携帯電話「F-04B」が発売されます(明日)。

ついに来たか!

という感慨を抱かずにはおれません。常々、携帯電話というかモバイル端末の理想型は親機+子機の二段構成だと思っていましたので、自分にとってはドリカム的な製品であります。

メーカーは親機子機という言い方はしていませんが、ここではキーボードがある方を「子機」、ディスプレイがある方を「親機」と呼ぶことにします。

もちろん分離した状態でも発着信、通話が可能。子機側を耳に当てて、会話しながら親機のディスプレイで調べ物をすることもできます。「通話しながらスケジュールが確認できない」というありがちな不便からも解放されます。親機単独でも通話できます。

僕はいわゆるケータイ入力が苦手(というかめんどくさい)なタチなので、キーボードはありがたいです。逆にキーボードを使うためには分離しなければならないようなので、そこが微妙に不便かもしれません。

親機側のカメラは1220万画素と、いまどきのケータイらしいスペックです。分離型ならではの使い方として、親機にあるカメラをから子機から操作して、リモートでシャッターを切ることもできるそうです。ただ、これはできれば親機と子機を逆にして欲しかったですね。そうすれば親機で液晶を見ながらシャッターを切れたんですが(まあ映像をリアルタイムで転送するのはちょっとつらいですね)。

分離状態での親機はわずかに厚さ10ミリ程度ですので、ポケットに入れるのも楽勝です。CDケースと同じくらいと言えばいかに薄いか分かるでしょう。子機はカバンなどに入れて、親機のみを身につけるというのがこのモデルのもっとも賢い使い方ではないでしょうか。ただ、分離するとバッテリの保ちが悪くなるのが痛し痒しではあります。

このスタイルだと、心配なのが「片方がどこにいったか分からなくなる」ということですが、片方からもう片方をコールして、音や光を出す機能があるそうです。これは家電に強い日本メーカーらしい気配りだと思います。たぶん僕は確実にお世話になると思います。というか買うのが前提のような文章になってるのは何故でしょうか?

スマートフォン的な多機能さはありませんが、モバイル端末の未来形として個人的に非常に楽しみな機種です。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 
 
201006
17
木曜日

ジャンゴのIT新生記 ~「ニンテンドー3DS」

最近にわかに注目を集め始めた「3D映像」。ゲーム業界では任天堂が先陣を切ることになりそうです。その名も「ニンテンドー3DS」

「次のDSは3D」というのは春ぐらいからすでに公表されていましたが、先日アメリカのゲームショーで、初めて実機が公開されたようです。

ニンテンドー3DSの特長は、裸眼3Dです。つまり、特殊なメガネなどを掛けなくても素で立体的に見えるということです。なにやら魔法めいた感じがするかもしれませんが、理屈はそう難しいものではありません。ちなみに、3Dなのは上側の画面 (つまりタッチ操作できないほう) だけです。

裸眼3Dで主に使われるのは、「視差バリア方式」というものです。これは、同じ画面を見たときに右目と左目でわずかに角度が異なることを利用して、右と左に異なる映像を送り出します。

3d.jpg
(上図は和歌山大学 床井研究所のwebより引用)

少々乱暴な喩えですが、携帯電話の盗み見を防止する「プライバシーフィルタ」の発展したものと考えてもよいでしょう。あれは真正面以外に光が漏れるのを防ぎますが、こちらは「右目方向」と「左目方向」があるわけです。

このとき、左右で違うものを見せるためには横方向について二倍の解像度が必要です。そのため、ニンテンドー3DSの上画面は「800×240ピクセル」という、一見ものすごく横長の液晶になっています。実際にはこのうち、右目が400ピクセル、左目が400ピクセルを見ることになります。

さて、理屈はともかく、誰でも気になるのは「これで本当に立体的に見えるのか?」ということでしょう。これがどうも、現地のレポートを読んでみると「かなりイケてる」らしいのです。

じゃあどの程度イケてるのか・・・今までであれば、YouTubeなりでレポート映像を見るところですが、こと3Dに限っては、普通のビデオカメラで撮っても分かりません。これはもう、現物を見るまで確認のしようがありません。

なんだかテクノロジーの限界にぶつかったような気分がしますが、いずれ立体撮影できる個人用カメラが登場すれば解消されるでしょう。いつになるか分かりませんけど。とりあえず、現物を拝める日を楽しみにすることにします。

ちなみに、これと同じ方式を使った携帯用液晶はすでに実用化されていますので、案外携帯電話で見る方が先かもしれませんね。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 
 
201107
22
金曜日

実はインターネットにも「資源問題」

震災以降、エネルギー資源の見直しが今まで以上に叫ばれていますが、実はインターネットにも資源問題があります。

インターネットに接続する機器には、例外なく「IPアドレス」という住所のようなものが割り当てられます。これは、0~255の数字を4つ組み合わせたもので、

0.0.0.0~255.255.255.255

まで存在します。組み合わせの総数で言うと、

256×256×256×256 = 4294967296 = 約43億個

となります。43億・・・なんかすごく多そうに見えますが、実はすでに不足しているんです。

これは、パソコン、携帯、家電にいたるまで、世界中のデジタル機器がこぞってインターネットに接続するようになった結果です。インターネットはもはや世界を支えるインフラですから、地球人口にも満たない数ではとても足りないのです。

さて不足するとどうなるか。少々大袈裟な表現をすると「IPアドレスの奪い合い」が発生します。ただし、IPアドレスはIANAをトップとする国際的な組織によって割り振りが管理されますので、実際にはそんな物騒なことにはなりません。

しかし不足しているのは事実です。4月には、日本のIPアドレス担当しているJPNICが、日本におけるIPアドレスの枯渇を宣言しました。

もちろん対策はあります。その代表例が、IPアドレスの共有です。ひとつのIPアドレスを複数の機器で共有することによって、接続する機器を爆発的に増やすことが可能です。

実は、この技術は家庭用のルーターなどでも使われており、ほとんどの人がその恩恵にあずかっています。もしこの仕組みがなかったら、インターネットはとっくの昔に破綻していたでしょう。

もうひとつは、もっと抜本的にIPアドレスの仕組み自体を変えることです。IPアドレスの枯渇はずいぶん前から分かっていたことなので、その準備は着々と進められてきました。新しいIPアドレスを「IPv6」というのですが、これはなんと

340282366920938463463374607431768211456個

あります。もはや多く過ぎてなにが何だか分からない数字です。(340兆の1兆倍の1兆倍だそうです)

これだけあれば、まあ無限といっても差し支えないような気がします。もっとも、最初にIPアドレスを作った人達も同じことを思って43億個にしたんでしょうから、将来どうなるかはわかりませんが。

なお、いままでのIPアドレスの仕組みを「IPv4」と呼びます。

さあ、それならすぐにIPv6へ、といきたい所ですが、ことはそう簡単ではありません。IPv6とIPv4には互換性がないため、世界中にあるデジタル機器をIPv6に対応させなければなりません。これは地デジへの移行よりも遙かに大変なことです。

(ちなみに、最近のパソコンはちゃんとIPv6に対応していますので心配はいりません)

そのため今まではゆっくりゆっくりと進行してきましたが、実際にIPv4のアドレスが枯渇し始めたことで、いよいよ業界全体が本気モードに入りました。例えば、6/24には「World IPv6 Day」というちょっとした予行演習が行われ、Yahoo、Googleなどの大手webサイトが、24時間だけ自社のサービスをIPv6に切り替えました。

この日、IPv4にしか対応していない機器はこれらのサイトにアクセスできなくなったはずですが、幸いなことに大きな混乱はなかったようです。いままで地道に準備してきた成果ですね。

IPv6は単にアドレスの数を増やしただけではなく、セキュリティの向上なども図られています。IPアドレスの共有などという面倒な仕掛けを使う必要もなくなるので、本格的に移行が進めば、インターネットの世界がずいぶんシンプルになることは間違いありません。

しかし、世の開発者にとってはこれは恐怖の大王みたいなものです。過去に作ったプログラムが動くかどうかひとつひとつ点検しなければなりませんから、世界中でとんでもない労力が支払われることになるでしょう。自分にとっても人ごとではありません。

物理的な資源問題と同じく、地球規模の協力がないとIPアドレスの枯渇には対処できません。おそらく2011年は、本格的にIPv6へと移行を開始した年として歴史に刻まれることになるでしょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 
 
201112
11
日曜日

これがホントの常時接続。ノートPC内蔵WiMAXの便利さに感動

「ユビキタスネットワーク」という言葉をご存じでしょうか?

舌をかみそうな発音ですが、意味は難しくありません。ユビキタスは「いたるところにあること」といった意味で、これにネットワークがくっつくと、「いつでもどこでもネットに接続できること」になります。

別のもので例を出すと、日本は水が豊かで水道が整っており、自動販売機もあちこちにあります。日常の生活圏であれば、水は24時間どこでも手に入りますよね?

これが海外だと、水道水がそのままでは飲めないことも多くありますし、そもそも水が貴重という地域だってもちろんあります。

つまり水に関して言えば、日本は世界トップクラスで「ユビキタス」な状態なわけです。普段意識してませんが、これってスゴイことですよね。

さて、モバイル通信が盛んになってきたあたりから「ユビキタスネットワークが実現されれば、インターネット世界に革命が起きる」というようなことが言われてきました。

これはスマートフォンの登場で一部すでに実現されています。モバイル通信のコストが大幅に下がったことで、「ネットの見過ぎでパケ死」なんて言葉も過去のものになりましたしね。

実際、ネット使い放題のスマートフォンは大変便利な道具で、ブラウザ、メールはもちろん、自分が作ったデータを外出先からいつでも引っ張り出せるようになりました。

スマホがあればパソコンいらない、なんて言葉も囁かれるくらいの勢いですが、現実問題としてはパソコンでないとできないことは一杯あります。特に、何かデータを作成するときはパソコンの出番でしょう。

そんなわけで本題ですが、パソコンでユビキタスネットワークを実現する方法。いくつかありますが、ここしばらくPC内蔵の「WiMAX」を体験してみて、「これはすごい」と思いました。

WiMAXというのは、(少々乱暴な喩えですが) ものすごく範囲の広い無線LANみたいなものです。エリアがまだ狭いという弱点はありますが、きちんと繋がればADSLくらいの通信速度がでます。

また、最近はノートPCに最初から内蔵されていることが多いのも特徴です。一度契約してしまえば、無線LANとほとんど同じ感覚で使えます。つまり、パソコンを開いた瞬間からすでにネットに繋がっているのです。

スマホのネット接続って、繋がってページなりメールなりが表示されるまでに結構待たされますよね? 毎回インターネットまでの回線を確立しているので、そこでどうしてもワンテンポかかってしまうのです。もちろん速度的にも十分とはいえません。

その点、内蔵WiMAXは本当に「常時接続」という感じで、接続するということ自体を全く意識する必要がありません。速度は場所によって差が激しいですが、ブラウザやメールする分には概ねストレスフリー。YoutubeもOK。これぞユビキタスネットワークと言えるでしょう。

速度の点では光回線には遠く及びませんが、普通の用途なら自宅のネットもこれでいいんじゃない? という気がします。固定電話をやめて携帯電話だけにするような使い方ですね。

問題は、実際に自分の行動範囲で使えるか、速度がどれくらい出るかが使ってみるまで分からないことですが、これは無料期間を活用して調べられます(プロバイダとの契約をよく確認してください)。自分がいまちょうどその状態ですが、思ったより速度が出ていて満足しています。

この便利感はなかなかのものですので、次にノートPCを買い換える機会があったら、是非WiMAX内蔵のモデルも検討してみてください。パソコンってやっぱり便利だな!と思うこと間違いなしです。

このエントリーをはてなブックマークに追加

 

ウォンツ制作:
DVD講座ラインナップ

SEARCH


About

ブログ「ジャンゴと豆の木」のカテゴリ「IT新生記」に投稿されたすべてのエントリーのアーカイブのページです。過去のものから新しいものへ順番に並んでいます。

次のカテゴリはことばです。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

RSS
mobile版はこちら