このブログのせいかどうかは分かりませんが、久しぶりに会う人から
「最近何か買いましたか」
と聞かれることが多くなりました。実にありがたいプレッシャーです。
さて、今回は同じものをいくつも買ったという話です。

ご覧の通り「ステレオミニピン←→ステレオミニピン」のケーブルです。0.5mが5本。
なんでこんなに買ったかを説明するためには、少々時間を遡らなくてはなりません。
昨年、ノイズキャンセルヘッドホンなるものを買いました (長いので以下NCヘッドホンと略します)。今回の本題ではないので詳しくは触れませんが、外部の騒音を消して静かに音楽が聴けるという不思議なヘッドホンです。
NCヘッドホンは耳栓のように音自体を遮断するものではなく、外部の騒音を相殺するような音を自ら発することで音を打ち消します。文明の利器とはかくあるべきという巧妙な仕組みで、身につけた瞬間に別世界に来たような気分になるほど効果があります。
ちなみに自分が持っているのはオーディオテクニカのATH-ANC7という機種です。

さて、そんなNCヘッドホンならではの文化として、下図のようにヘッドホンからケーブルが取り外せるというのがあります。全部の機種がそうというわけではないのですが、この機種をはじめいくつかあるようです。

なぜこうなっているか、はっきりとメーカーが理由を述べているわけではありませんが、おそらくNCヘッドホンが普通のヘッドホンよりだいぶ高いことが原因だと思います。
ケーブルが断線してヘッドホンを買い換えたことのある方は多いと思いますが、NCヘッドホンは数万円しますのでそう簡単に買い換えるわけにはいかないのです。ケーブルが別になっていれば、断線してもケーブルだけ取り替えれば済みますからね。
そこでようやく本題に入るのですが、この機種の場合、 使えるケーブルにかなり制約があります。差し込み口周辺が非常に狭く深いので、下の写真のようにほとんどの市販ケーブルはつっかえてしまって入らないのです。端子の形状は合っているのに使えないのですからなかなかのジレンマです。

製品に付属しているケーブルはもちろん問題ないのですが、このケーブルは長さが1.6mもあり、外出時に使うのは明らかに長すぎます。1mでも長いのに。この長さを選んだメーカー担当者は、「モバイルにおいては大が小を兼ねない」という、ノートパソコンや携帯端末の分野でよく使われる台詞を100回復唱するべきでしょう。
さて、付属のケーブルは長すぎる、手持ちの短いケーブルは全部つっかえると苦しい状況になった自分は、ともかく寸法が合うケーブルを探し回りました。量販店のケーブルコーナーで、あれも無理これも無理とやった挙げ句、場所を変えてiPodコーナーに行ったところで丁度いい大きさの、しかも50cmという短いケーブルを発見したのです。Victorのケーブルでした。
ほっと胸を撫で下ろした自分は、コーナーの場所をよく記憶してから会計を済ませました。
これが昨年末の、NCヘッドホンを買った直後の話。
そして時は流れて先日のこと。そのとき買ったケーブルがついに断線して音が途切れるようになりました。半年で断線するってモノ使い荒いんじゃない?という向きもあるかと思いますが、東京の通勤ラッシュと通勤時間の長さはあらゆるものを短命にするのです (たぶん人間も例外ではないでしょう)。
しかしすでに適切なケーブルと売り場を抑えている以上、慌てる必要はありません。そう、前回の苦労は今回楽をするためにあったのです。会社帰りに例のiPodコーナーに行けば、
・・・売ってない・・・
売り場の構成も少し変わっていましたが、そういう問題ではなく、店からそのケーブル自体が消えていました。
これは困ったことになりました。一応他の店も当たりましたが結果は同じ。そもそもがあまり需要のない種類・長さのケーブルであることは明白なので、むしろ前回在庫があったことが奇蹟だったのかもしれません。
店頭在庫をあきらめた自分は、自宅に戻って別の手を打つことにします。言うまでもなくネット通販です。なんだかパソコン初心者にインターネットの利点を説明するような展開になってきました。
しかし自分はインターネットで二度目の挫折を味わいます。どの店も在庫がないのです。途中で発見したVictorの直販サイトですら在庫がありません。ひょっとしたら生産終了になったのではという疑問も沸いてきます。
なんだか疲れてしまって納期待ちの注文をする気にもなれず、Victorの直販サイトをブックマークに入れたまま、断線したケーブルを騙し騙し使うことにしました。
それから一週間ほどのち、Victorの直販サイトを見直した自分は、ついに次の文字を発見します。
在庫: 5 コ
苦節数年 (誇張) 、これでやっと音切れから開放! 購入ボタンを押してカートに進んだ自分は、「数量」に迷わず
[5]コ
と入力します。 メーカー直販サイトの在庫を全部。これを大人買いと言わずしてなんと言えばよいでしょう。南の島をひとつまるごと買い上げた富豪の気分は、きっとこんな感じに違いありません。
ともあれ、こうしてケーブル探しの紆余曲折は終わり、冒頭の写真のように5個のケーブルが届いたわけです。これだけあれば単純計算でも2.5年は持つはずですので、その頃にはヘッドホン自体に寿命が来ているかもしれませんし、ケーブルの断線を恐れる必要はありません。
ちなみにこのVictorケーブルの端子と普通のケーブルの端子を比べると、下の写真くらいの違いがあります。

なお、オーディオテクニカは先日ATH-ANC7bという新しいNCヘッドホンを発表しました。僕の持っている機種のマイナーチェンジ版に当たるようです。写真で見た限りでは、今回の元凶であるやたらと狭いケーブルの差し込み口は変わっていません。
しかしケーブルのほうには変化があります。以前と同じ1.6mのものに加え、1.0mのケーブルが付属するようになりました。おそらく1.6mは長すぎるという声がたくさんあったのでしょう。1.0mでもまだ長いとは思いますが・・・。
僕がNCヘッドホンを買い直す時期までには、形状の方も改良しておいてほしいものです。