今回は新製品ではなくてまだ技術発表レベルのものですが、個人的に非常に興味があるので取り上げてみます。
毎年、この時期にはアメリカで「CES」という家電製品のトレードデショーが開催されます。その年の業界のトレンドを占うような新技術、新製品が発表されるため、毎年大きな注目を集めています。
今年のCESでは、マイクロソフトが何やら新端末を発表するらしいという話が事前に出ていたのですが、その正体は「Slate PC」というパソコンでした。写真で手に取って紹介しているのはマイクロソフト社CEOのスティーブ・バルマー氏。

Slateというのは「薄い石版」という意味です。キーボードがないため、写真のように一枚の板のように見えます。中身は普通のWindows7ですので、ペンや指で操作するという点を除けばそれほど目新しいものではありません。実際、過去にもマイクロソフトはこのタイプのパソコンを推進していたことがありました。当時は「タブレットPC」と呼んでいたのですが、残念ながら一般には普及せずに終わってしまいました。
ただ、一部のマニアにはパソコンの新しいスタイルとして歓迎されました。かく言う自分もその一人で、傑作と名高いHPの「TC1100」を愛用していました(下写真)。この機種も基本的には板状ですが、キーボードを合体できるという特徴を持っています。実に燃える機種だったのですが、タブレットPC自体があまり広がらなかったこともあり、3世代くらいで命脈が途切れてしまいました。「TC1100の後継機を!」とはタブレットPCマニアの間でよく聞かれる叫びです。
今回発表されたSlate PCのプロタイプモデルはHPが開発しており、その見た目はまさにTC1100を彷彿とさせます(下写真)。キーボードとの合体機構はなさそうですが、充分に期待させる仕上がりです。 写真を見る限り、昔よりも薄くなっているような気がします。

実体としてはタブレットPCなのにも関わらず、「Slate PC」などという新しい名前を持ってきたのは、過去を振り払って仕切り直したいという思いと、コンセプトの違いを明瞭にするためでしょう。
タブレットPCでは、初期こそTC1100のような板状のものが多かったですが、次第にキーボードがつくのが当たり前になって、最終的には「ペンでも操作できるノートパソコン」になってしまいました。実にがっかりな結末です。しかしSlate (石版) と言い切ってしまえば、ノートパソコン型のものは初めから対象外になります。マイクロソフトの本気が垣間見える名称です。
また、操作方法もタブレットPCはペンが主流でしたが、Slate PCはおそらく指 (タッチ操作) が基本になるでしょう。Windows7にはタッチ操作の機能が最初から盛り込まれていますが、それもSlate PCの布石だったと思えば納得がいきます。
(個人的には、ペン操作で絵も描ける石版にして欲しいですが。ああ、でもこれにDAWを立ち上げてドラム音源を叩いたりするのも楽しそうですね)
Slate PCのデモンストレーションでは、Slate PCの用途として電子ブックを見せたようです。今年は電子ブックリーダーと電子出版の動きが本格化しますので、それを睨んでいるということでしょう。
年内には実際には発売されるらしいので、これはもう絶対買っちゃうだろうなーという予感ヒシヒシですね。実に楽しみです。








